零〜月蝕の仮面〜 レビュー

なんかタイムリーにバグの情報が発表されましたが、
毎回1週すれば満足なので、霊リストやらクリア後の特典は特に影響無いかなぁ。
フリーズに関しては、発表されたのと別の場面でも止まる人は居るようですが、
ハードの個体差によるものなのかも?
私は今のところ止まってません。



昨日は仕事の都合で進められなかったので、今回はレビュー的なものを。


零 ~月蝕の仮面~ - Wii

零 ~月蝕の仮面~ - Wii


まだクリア前ではありますが、バッチリ楽しんでおります。
今回の零はシリーズ屈指の名作ではないかと。
イマイチだった前作から、Wiiで見事に返り咲いてくれました。*1



ただ、人にもオススメできるか?というと、これはなかなか難しい問題です…。

個人的に今作は満足度が高く、「零」シリーズ自体もお気に入りなのですが、
シリーズ全体を通して、決して万人向けとは言えないゲームなんですよね。


ネックになるのが、ホラーというジャンル。
怖いの苦手という人はそれだけで敬遠してしまいますし、
全然怖いの平気という人が遊んでも面白さ半減でしょう。


一口にホラーといっても方向性が色々とありますが、
ゲームで主流になるのは、ゾンビとか不気味なクリーチャーを相手にするような作品でしょうか。


スプラッタな要素が無く、零みたいに雰囲気で怖がらせるタイプは、
スキマ産業的な位置付けにある作品のような気がします。
…売り上げ的な観点から言っても。

ホラー的な適正

個人的には信じ難いですが、零が全然怖くない、楽しめないという人も世の中には居るようです。


楽しめる人、楽しめない人を分ける要素について考えてみたのですが、
このゲームを楽しむには、豊かな想像力が必要とされるのではないかと。


つまり、ホラー映画観たあとで、夜トイレ行くのが怖くなっちゃったり、
お風呂入って髪を洗ってる時に背後が気になったり
鏡の前を通る時に「何か変なの映っちゃったらどうしよう…」と想像しちゃったり、
言うなれば「セルフビビり」的な恐怖を自分の中で膨らませちゃう人。
そんな人が適性ありそうです。


ゲーム中にお化けは出るものの、全体を通してみれば、
悪霊を相手に戦闘するような時間はごく一部分。
移動と部屋の探索、資料を読む時間が多くを占めてると思います。


目の前に出てきた悪霊は、ゲーム的にもホラー的にもメインディッシュですが、
出そうで出てこない雰囲気に勝手にビビる…というのは、
このゲームを余す事なく楽しむ上で、必要不可欠なことです。


ストーリー的な適正

また、このゲームのストーリーは、
断片的な資料を読み解くことで、ジワジワと組み立てられていきます。
キャラクター同士による掛け合いなど、ほとんどありません。


悪役や黒幕が長々と自らの企みを語るとか、無駄に親切な説明は無いのです。
登場人物の大半は、怨念を抱えた幽霊になっちゃってますからね。


メモや日記から恐怖を膨らませたり、登場するお化けの背景を理解したり、
新聞記事など各種資料から過去に起きた事件の内容を理解したり、
この点でも想像力による補完が出来ないと、十分に楽しむ事は難しいかと思います。



そんな感じでターゲットが絞られてはいますが、
相性の良い人にとっては、他作品には無い面白さを味わえるはず。

システム的な注意点

Wiiコントローラーを使うようになり、
過去作品とは微妙に操作が変わっていますが、私はさして違和感ありませんでした。


初めてこのゲームに触れてみるという人は、
まず移動速度の遅さが気になるかも知れません。
「走る」で移動しても、やる気あんの?ってぐらいのスピードです。


ただ、ゲームを進める上でストレスになる事は、あまり無いんじゃないかと。
移動がゆっくりなため、画面の色々なとこに目が行ってしまいます。
より不気味な雰囲気を味わうには、ちょうど良い速さなのかなぁと。
このゲームやってると没入感がスゴイのですが、このスピードのお陰かも?


ゲーム的にも、浮遊霊の案内などがあるお陰で、
無駄に館を迷ってしまい、移動の遅さにイライラってことは少ないですし。



プレイ中の脳ミソは極限状態なので、意識したこと無かったですが、
改めて振り返ってみると、攻略の自由度なんかはほぼ無いです、
良くも悪くも幽霊さん達に導かれるままに進む感じ。
好意的に解釈するなら、だれる事なく緊張感を維持できるかな?


やはり断片的な資料を順番に見せる事で、ストーリーを語っていく作りなので、
「お化け屋敷を用意しました。さあ好き勝手に歩き回ってください」
みたいな作品には出来ませんね。


逆にデッドライジングなんかは、
事件の究明をするストーリー部分とかに違和感がありましたが。
余計な事件の背景とか語らず、ゾンビ一杯の町でサバイバルするだけで良かったのに。



気になった点としては、初めての人がプレイすることを想定した場合、
射影機による戦闘を練習するモードとかあれば…とは思いました。
わりと序盤から普通に戦闘が発生しますけど、
馴染みの銃器類を使うような戦闘とは違いますしねぇ。




そんなワケで、Wii版零はかなり良いです。
前述の通り人は選びますけど。


最も思い入れが強いのは初代でしたが、
さすがに今となっては古臭くて勧め辛いものがありました。
過去作品と話の繋がりは無いので、初めて零をやるという人にも最適かと。
これを機に、シリーズのファンが増えてくれると良いのですが…。


興味を持った方は、ニテンドーチャンネルなんかにも紹介映像があるので参考に。


 

*1:ハード移籍の影響か、関連スレッドでは見事にそのスジの人っぽい書き込みが見受けられるようになりましたが…。