やっと書けた428レビュー
という訳で、先日クリアした「428 〜封鎖された渋谷で〜 」の感想です。
率直に言って最高に面白かったので、褒め言葉が大量に出てきたのですが、
逆に書きたいこと多すぎて、初めは全然まとまりませんでしたわい。
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チュンソフト製の実写サウンドノベルということで、
往年のファンは注目してたのでしょうが、
私は今年の夏に初めて「街」をプレイした程度のヒヨっ子。
先日も書きましたが、
「街」が評判通りの面白さだったので気にはなってたものの、
そこまで思い入れのある分野でもないので、様子見するつもりでした。
レビュー40点満点の勢いが無かったら、まだ428をプレイしてなかったかも。
428概要
※大手でもレビュー記事が出てたので、気になる方はご参考ください。
・「428」レビュー:パズル的な要素が面白い"実写"サウンドノベル
http://plusd.itmedia.co.jp/games/articles/0812/09/news057.html
まずタイトルの「428」は「よんにいはち」と読むそうで。
4月28日に起きた事件というのが由来とか。
あとは舞台となってる「渋谷」とのゴロあわせも。*1
サウンドノベルなので、小説を読み進めるように話を追い、
たまに出てくる選択肢を選ぶ事で、お話の展開が変わります。
基本はその繰り返し。
他の作品と異なるのは(…と言うほど、他の作品を遊んだことありませんが)、
主人公が5人居て、ある主人公の選択肢が自分の話だけではなく、
別の主人公の展開にも影響を与える点。
渋谷署の刑事で、誘拐事件の捜査に加わっている加納。
ある事情で日々渋谷のゴミ拾いをする、元チーマーの亜智。
知人の出版社社長を助けるために奔走するフリーライターの御法川。
誘拐された女子大生の父親で、ウイルス研究者の大沢。
チャックが壊れて脱げなくなってしまった、着ぐるみアルバイトのたま。
あらすじとか気になる方は公式サイトを覗いてもらえればと思います。
http://chun.sega.jp/428/mov/
もっともプロモーション映像なんかでは、本編の面白さは伝え切れてませんが。
Wiiでも体験版の配信とか出来たら良いのにねぇ。
適当に選んでいると、どこかで誰かがバッドエンドを迎えてしまうので、
それを回避するために複数の主人公の話を行き来して、
全員の話が上手い具合に進行するよう調整しなければなりません。
お話は劇中の1時間ごとに区切られていて、
全員がバッドエンドを回避して1時間が終わらない限り、
次の1時間には進めない、という作りになっています。
街と428
同じ実写サウンドノベルで、同じシステムを採用していた作品として、
前述の「街 〜運命の交差点〜」があります。*2
遊んだ人の評価が非常に高い作品で、私も楽しめたものの、
私が遊んだ時には不満に感じたことが幾つかありました。
一つは、「街」では主人公8人居るのですが、その中に趣味が合わない話もあり、
そのシナリオを進める間は、淡々とボタン連打するだけの時間になってしまった点。
「牛尾・馬部と七曜会の話見たいのに、
なんで辛気臭い市川シナリオなんぞ…」という感じ。
428プレイ前には、中にはそんな趣味の合わない話もあるかと心配しましたが、
クリアまでにかかった17時間で、そんなダレた時間は全く発生しませんでした。
どの主人公も面白くて、あっという間に1時間(劇中の)が経ってしまいます。
素晴らしいスピード感です。マジで。
前半はコメディ的な笑える要素を交え、
魅力的なキャラクターが次々に登場してグイグイ話に引き込み、
後半はシリアスなサスペンス要素を前面に押し出して、
これまた一気に読ませてくれます。
そして伏線の張り方と、回収の仕方は見事としか言いようがありません。
街での不満のその2として、それぞれの話がほぼ独立していて、
お互いの主人公が絡むような展開が無かった、というのがあります。
面白いんだけど、もう1歩踏み込んで欲しかった感じ。
一方の428では一つの事件を軸にして、
後半に向かって主人公同士の絡みもガンガン発生。、
そういう熱い展開って大好きなので、個人的に大満足でした。
ラスト付近はフラグ立てが複雑になって、
最後のバッドエンドラッシュを回避するのは難儀します。
それでも、その頃にはもうどっぷりハマってたし、
熱い展開の連続とクリアした時の達成感で、煩わしさは忘れちゃったなぁ。
「フラグ立て」という面倒になりがちな作業を、
補って余りあるほどのパワーがある作品です。
サウンドのこだわり
SFCの弟切草の頃から、効果音など音の臨場感がスゴイ、
という評判を聞いてた記憶があります。
「街」を遊んだときはPSPのスピーカーのみの環境で遊んでましたが、
今回はにゃっきさんのネタバレ防止の意味も含めて、
428はヘッドホン装着でプレイしてました。
BGMも環境音も最高です。
シナリオに没頭させるのに一役も二役も買ってますね。
サントラ買ってしまいそうな勢いです。
遊ぶなら是非とも音の環境を整えて遊ぶべき。
曲自体の良さもさることながら、
場面に合った効果的な使い方してくれるのが気持ちよかったです。
例えるなら、老山龍戦の最終エリアでメインテーマ流れてきた時みたいな、
そんなテンション上がっちゃう曲の使い方をする場面が何度も。
背景のこだわり
背景に実写が使われているのも今作の特徴。
プレイ中、登場人物がみんな良い顔してて、
臨場感のある絵だなぁと思ってましたが、メイキングDVD観てビックリ。
劇中では静止画としてしか使われないのに、*3
普通に映画とか撮るのと同じように、演技してるんですよ?
セリフありで。
メイキング映像観て背筋ゾクゾクするとは思いませんでした。
ありえない労力かけてますよコレ。
あくまで作品の一部でしかないというのに。
そりゃあ良い絵にもなろうというものですわ。
まとめ
正直なところ、遊んでみるまでは
サウンドノベルって中途半端なアドベンチャーじゃないの?
ぐらいにしか思ってませんでした。
実際、そこらのメーカーが真似して作ったとしたら、
そんな作品にしかならないと思います。
でも、428はハンパ無い出来のサウンドノベルです。
シナリオの構成とか、音楽とか、実写の背景とか演出とか、
本編クリアの時点では不満点全く無し。100点満点。
実写画像の撮影話からも窺がえるように、
全ての分野に全力を注がれたからこその面白さなんでしょうね。
「街」製作時、ロケ代が嵩んで会社傾いたとかいう話がありましたが、
今回も膨大な制作費がつぎ込まれているのでしょうか。
願わくば、多くの人に428が遊ばれて資金回収できますように…。
年末年始の休みのオトモに、
史上最高のサウンドノベルを遊んでみてはいかがでしょうか。
好きな脇役
ネタバレっぽいので最後に回しました。
今回は主人公・脇役に限らず、魅力的なキャラクターが一杯ですが、
お気に入りの脇キャラをご紹介。
まずはやっぱり柳下社長ですかね。
久しぶりになすび見た気がします。
音楽も表情も弾けてて良いキャラです。
そして一番好きなのは梶原刑事かな。
放っておいたら暗い話になりそうだった大沢シナリオですが、
この人のお陰で、シュールな笑いが生まれる楽しいお話になりました。
ありがとう梶原刑事、あなたの活躍は忘れません…。