スローンとマクヘール終了
先日購入した「スローンとマクヘールの謎の物語」、
通勤中なんかでチマチマ進め、収録されている全ての問題を解き終わりました。
ここらで感想をひとまとめ。
- 出版社/メーカー: レベルファイブ
- 発売日: 2009/05/21
- メディア: Video Game
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結局、収録されていた問題は80問。
私が普通に遊んで問題を増やし、にゃっきさんが気になる問題だけつまみ食いする
という感じで遊んでいたところ、プレイ時間は12時間ほどとなりました。*1
以前も紹介しましたが、ざっくり内容を説明すると、
まず、意図的に情報が大幅に削られた、
一見すると奇妙なことが起きているストーリーが語られます。
これについて出題者に質問を繰り返し、隠された背景を明らかにするゲーム。
アドベンチャーともパズルとも違った、独特の趣があります。
面白かったところ
どういうところが面白かったか?というと、
「ウミガメのスープ」のように、本当にワケのわからない問題が出され、
最初は見当もつかなかった物語の背景が、
質問していくうちにジワジワと姿を見せ始め、
話のオチに「あらまぁ、そういう話だったとは…」と感心できた時。
逆転裁判でムジュンを突きつけるような高揚感、熱い展開なんかはありません。
他の小咄にも使われてそうな、古典的なオチも見受けられ、
落ち着いたオトナが楽しむ感じの話が多いかなぁ。*2
昼下がりに紅茶で一服するような感覚ですね。良くも悪くも。
このゲームのキモとなる、質問文を作成するシステムはよく出来てると思いました。
文中のキーワードを選択すると、そこから別の言葉が幾つも出現し、
2つ3つと言葉を選択すると、「AはBのことを知っていた?」みたいな質問文に。
結局のところ、使われるキーワードはあらかじめ用意されたものなので、
実質的には用意された選択肢から選ぶのと変わらないんですけど、
「自分で質問してる」感が多少なりとも生まれます。
元の水平思考推理ゲームを、上手くアレンジしてるんじゃないでしょうか。
あと感心したのは、全体的に雰囲気の作り方が上手いかったところ。
話が始まる時の古い映写機みたいな演出、
落ち着いた渋いトーンで朗読される問題、
想像力をかきたてる不思議な影絵、
それらにマッチした落ち着いた音楽…などなど。
レベルファイブへのゲーム制作に関する信頼は、大してありませんでしたが、*3
少なくとも雰囲気作りの演出はピカイチだなぁと考えを改めました。
イマイチだったとこ
全ての問題でスッキリできたか?というと、バラつきがありまして、
問題によっては最初に出題された時点でオチが読めてしまうのが困りもの。
特に問題文でプレイヤーに先入観を植え付け、
ミスディレクションを狙ってるパターンの話では頻発しました。
「あ、ここで騙そうとしてるな」と気付いてしまうと、
逆説的に考えて騙しの仕掛けが見えてしまい、オチが読めちゃうんですよね。
そうなると、質問パートは裏付け捜査のような退屈なものになり、
解答を見た時の「なるほど」も無くなってしまいます。
手品を見る時と一緒で、素直に騙された方が良い事も世の中にはあるようで。
また、「ウミガメ〜」のように、ミスディレクションは狙わず、
問題文からは想像もつかない、深い背景が隠されているパターンもあります。
この手の問題文では、話の裏が読めちゃうことはまずありませんが、
肝心のオチが面白くない…というケースはあります。
心の底から面白いと感じた問題は、80問のうち10問あったかどうかぐらい?*4
もっとも、上記の「オチが読めちゃう」「話が面白くない」とかは、
個人差があるので、あんまり参考にならないと思いますが。
作り手側もそこら辺を見越していたのかも知れません。
この作品では、問題が順番に出題されていきますが、
「どうしても解らない」「面白くない」とかの理由で飛ばしたい場合、
いつでも今の問題をすっ飛ばして、次の問題に移ることが出来ます。
私は使いませんでしたが、なかなか親切な作りかも。
総評
全体的に、普段あまりゲームをしない層がターゲットかなと感じました。
ちょっと的を外れた、隠された真実に関係しない質問でも、
繰り返すとシークレットワードに繋がる質問のヒントが出たり、*5
最後の出題者からの問題で選択肢が減ったり。
どんな人でも真実には辿り着ける作りです。
逆にゲーマー魂を燃やして挑むと肩透かしを食うかも。
後半になると問題が激ムズに…といった難易度の変化も無く、
同じぐらいの問題が淡々と繰り返されていきます。
私は通勤時間のスキマ時間で遊んでましたが、
そんな感じで気楽な気持ちで遊ぶには手頃な作品でした。
価格を考えれば、お値段分は充分に楽しませてもらったかなぁと。