面白いけど色々惜しい「マッドワールド」
先日、ノーマル難易度でエンディングを拝んだ、
マッドワールドのレビューです。
MADWORLD (マッドワールド) 【CEROレーティング「Z」】 - Wii
- 出版社/メーカー: スパイク
- 発売日: 2010/02/10
- メディア: Video Game
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ゲーム概要
ある日、ヴァラガン・シティの中心にあるジェファーソン島を、
テロリストが占拠するという事件が発生。
テロリスト達はジェファーソン島に殺人ウィルスをばら撒き、
残された市民に「デスウォッチへの参加者にはワクチンを投与する」と告げ、
血と暴力のサバイバルゲーム、「デスウォッチ」を開催するのでした。
デスウォッチの開催3日目、
右腕に仕込みチェーンソウの義手を付けた謎の中年男ジャックが現れ、
スポンサーを付けてゲームに電撃参戦。
ゲームの流れ
ステージ上に沸いてくる敵をモリモリ殺します。
殴ったり、投げたり、ぶった切ったり、串刺しにしたり…。
色々な殺し方をしてポイントを稼ぐと、ステージ上に武器が供給されたり、
デンジャラスな仕掛けが起動したりするので、またモリモリ殺します。
打ったり、燃やしたり、轢かせたり、感電させたり、流したり…。
さらにポイントを稼ぐと、ブラッドバスチャレンジが開催されます。
ザコを電車でモリモリ轢かせるとか、
ザコをトゲトゲのプレス機で貫くとか、
毎回その発想力には驚かされます。
ブラッドバスチャレンジで、さらに多くのポイントを稼ぐと、
ボス戦を開始するゴングがステージ上に出現。
こいつをガコーンと一撃すると、ランカー上位のボスとの戦闘開始。
見事倒せたらまた次のステージへ…というのが基本的な流れ。*1
良かったところ
ステージの仕掛けとか、ブラッドバスチャレンジとか、
ザコをあの手この手で殺す発想力がスゴイです。
デッドライジング並みの豊富さではないでしょうか。
Z指定だけあって、その過激さ・バカさ加減も群を抜いています。
もっとも、かなり不謹慎なネタもあるため、
人によっては許容できる一線を越えてしまっているかも?
あとはQTE*2のアクションは派手でバカカッコいいです。
根性入れなきゃいけない場面でリモコンをガシガシ振るのも、
ちょっと疲れるけど、ボタン連打より方が一体感あります。*3
残念なところ
ゲームの看板である1面があんまり面白くないところ。
ポイントを稼げるザコの殺害方法として、
1.タイヤを被せて、2.標識を突き刺して、3.とどめにトゲトゲに叩きつける
というのが紹介されるんですけど、この方法がイマイチです。
タイヤどこ?って探して、標識はどこ?トゲトゲは?
って探し回るのがテンポを悪くしちゃう感があります。
そんなこと気にせず、ダイレクトにトゲトゲに投げつけたり、
ゴミ箱に投げ込んだり、便器に突っ込んだり、
もっと簡潔で面白い仕掛けがあるのに、なんでこれをプッシュするかなぁ?
1週クリアした後、そういうの気にせず自由に遊んだら良い感じでした。
あと、数々のSATSUGAIネタの発想力は実に素晴らしいのですが、
基本的にはザコを掴んで投げつけて起動するものばかり。
そのため、個人的にはザコを掴んで投げるばかりのゲームになりがち。
ネタは前代未聞に過激なんだけど、
では一皮むいてゲームとしての中身は?と問うてみると、
アクションゲームとしての出来は「並み」なのが惜しいなぁ。
一応、マップは高さや段差、階層も考慮した造りになっているものの、
飛んだり跳ねたりが楽しいわけでもなく、*4
雑魚の大群をごっそり蹴散らすような爽快感があるわけでもなく、
並みのアクションと、それらを繋ぐ過激でカッコいい演出という構成です。
ジャック自身は魅力的なキャラクターなので、
プレイヤーが彼を動かす楽しみが、もっとあれば良かったかも。
「ジャックさんかっけー!」と感じるのは、基本的にQTEの中のアクションだったので。
そこら辺、どうしてもベヨネッタと比較してしまいます。
同じプラチナゲームズ作品とは言え、
仕切ってる人が違うから仕方無いんですかね。
個人的には10点満点中8点といったところで、
プレイする人がネタを楽しめるかに応じて1点ずつ増減という感じ。
ネタばれ感想
ストーリー展開で感じたところがあるのですが、
ゲーム後半部分のネタバレになってしまうので畳みます。
もしかしたら遊ぶかも知れんなぁ…という人は見ない方が良いかも。
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以下ネタバレエリアです。
デスウォッチゲームの主催者は街を占拠し、
一般市民やらミュータントをデスウォッチに参加させていますが、
セレブ達はだれが生き残るかを賭け、ギャンブルを楽しんでいます。
ジャックは容姿・経歴を偽装して正体を隠してるものの、
過去のデスウォッチで3連覇を成し遂げた伝説のチャンピオン。
デスウォッチは剣闘士と同じ見世物だと言い、
馬鹿げた殺し合いを終わらせたいと語ります。
今回のデスウォッチ運営サイドは、基本的にお金儲けのために開催。
観戦者の1人であるスポンサーNo13は、
デスウォッチは遥か昔から代理戦争的な役割で開かれていたもので、
今大会も含め、近年の大会にはその理念が無いと嘆きます。
ジャックはアマラ*5とのやり取りで、
デスウォッチ運営陣を捕まえたところで、
スポンサーが居る限りデスウォッチはまた開かれる…って話をしてます。
理想に燃える感じのアマラには、
「甘っちょろいこと言ってるなぁ…」的な反応をするものの、
「馬鹿げた殺し合いを止めさせる」って目的は何度か公言しています。
そうなると、ジャックは主催者側だけでなく、
スポンサーの爺さん連中もぶった切るぐらいやらかすのかな?
と、ラストを迎えるまでは思ってたワケです。
ところが、このゲームのラストって、
ジャックがランキング1位のプレイヤーを倒し、
現れた主催者側のメンバーを始末するところで終わってしまうんですね。
勝手にジャックの話を拡大解釈しただけかもしれませんが、
なんかこう…消化不良な結末でした。
次回作へ繋ぐ余地を残したのかなぁ。
以上、ネタバレ感想でした。