「God of War3」のレビューなぞ
先日書いたとおり「ゴッド・オブ・ウォー3」をクリアしたので、*1
この時点での感想を一まとめしておきたいと思います。
ゴッド・オブ・ウォー III【CEROレーティング「Z」】 - PS3
- 出版社/メーカー: ソニー・コンピュータエンタテインメント
- 発売日: 2010/03/25
- メディア: Video Game
- 購入: 27人 クリック: 131回
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雑感
基本的には相変わらずの内容でした。
圧倒的に綺麗な世界の中で、我らがクレイトスさんが豪快に暴れます。
アクション方面のシステムも目立った変更点は無しで、
武器はお馴染みブレイズ・オブ・エグザイル*2に加えて、3種類の武器を使い分けます。
パワー系の「ネメアのカエストス」以外、ちょっと被り気味ではありますが。
あとは補助的に使うアイテムとして、
飛び道具&燃やして仕掛けを解いたりするアレスの弓、
懐中電灯+目くらましのヘリオスの頭、
垂直の壁も駆け上がれるヘルメスのブーツが登場。
これらを使うためのアイテムゲージも追加されていますが、
マジックと違ってすぐに一定時間で回復するため、
ストレス無く使うことができます。
以前もネタにしましたが、やっぱヘリオスの生首が一番強烈でした…。
ジャストガードからの反撃技もGOW2からあんまり変化なし。
某ウィッチタイムを経験した後だと、少々インパクトに欠けるかも。
恒例のCSアタック(一般的にはQTE)は、今回ちょっと改善されました。
画面中央に指示が表示されてた従来のレイアウトとは異なり、
□ボタンなら画面左端、×ボタンなら画面下端など、
入力するボタンに応じて表示箇所が変わります。
おかげで、画面全体を視界に入れておけば、
「あ、なんか出た」というタイミングで素早く反応できます。*3
入力受付時間も従来より甘くなってる印象を受けました。
反射神経を求められる入力が辛かった人には、随分と遊びやすくなってます。
前作が進めても進めてもなかなか終わらなかったので、
今回は以外にあっさり終わった印象はありますが、
ボリューム不足って程でもなく、ちょうど良いぐらいかと。
ストーリー的にはクレイトスさんの復讐劇が幕を閉じ、
風呂敷の畳み方もちゃんとしてたので、個人的には満足でした。
良かったところ
・圧倒的なグラフィック
・豪快なアクション
ハードが変わってより綺麗に。
建造物だとか水ものなんかの表現は、他の作品とは一線を画しているし、
巨人族はじめとする想像上のクリーチャーは圧倒的な存在感を放ってるし、
クレイトスやゼウスなど、マッチョなおっさん達はカッコいいし…。*4
巨人族にピントを合わせたような画面から、
豆つぶみたいなクレイトスに、よどみなくズームしてく演出なんかは圧巻。
一番ツボにはまったのはでっかいクロノス戦でした。
アクションゲーム的には対極にある感じのデモンズソウル後に遊んだのもあり、
大量の敵をゴリゴリ倒していくのは爽快でした。
前述の通り「前作と同程度に楽しい」という評価で、
アクションゲーム的な目新しさは感じなかったんですけどね。
まあいつも通りの面白さです。
悪かったところ
・エグイというか悪趣味な演出あり
・人間のモデルの粗さがちょっと浮いてる
これまでの感想でも何度も書いている通り、
今回の暴力表現はちと悪趣味じゃないかと思われる部分が多々ありました。
ポセイドン戦でカメラが被害者視点になり、
蹴る殴るの暴行をはたらくクレイトスさん大写し+眼つぶしとか、
ヘリオスの首もぎ取りとか、
ヘルメスの足を切断するシーンとか、*5
某戦闘でぶん殴るたびに血しぶきがカメラに付いて、最終的には画面が真っ赤…など。
前作は普通に楽しんでましたが、今回の演出はちょっと引いたなぁ。
にゃっきさんに至ってはドン引き。
一番盛り上がるボス戦後に、プレイヤーを引かせてどうすんの?と。
ただでさえ感情移入しづらいクレイトスさんをさらに遠くに感じます。
遊んでても微妙にノリきれませんでした。
単純に遊ぶ人によって合う、合わないの話ではありますが。
Amazonレビュー見てるとそこら辺含めて大絶賛なので、
許容できる人なら問題なく楽しめるんだと思います。
あと、良かったところにも挙げていて、
世間的にもべた褒めなグラフィックに関して。
前述の通り、背景とかクリーチャーとかおっさんは凄いです。
その一方で人間型のキャラはかなりおざなりのような気が…。
具体的に気になったのは女性キャラ方面。*6
日本人好みのアニメチックなデザインじゃないから…とかの問題ではなく。
パンドラの髪とか「え、それプラスチックの被り物かなんか?」
と突っ込みたくなってしまうレベル。*7
同じ人間でもマッチョなおっさん達は良く出来てますよ。
それだけに良いのとイマイチなのが並ぶと造りこみの差が如実に…。
映画の吹き替え版なんかで、
ベテラン声優に交じって素人同然の芸能人なんかが声当ててると、
もうその映画自体にのめりこめなくなってしまう性質なもので。
個人的に全体のレベルは統一して欲しかったです。
こんな記事もホットエントリにありましたね。
登場キャラ全てをクレイトス・ゼウスレベルに仕上げるには、
予算が足らなかったのかなぁ。
・ゲームの美麗グラフィックはやはり癌かもな:島国大和のド畜生
http://dochikushow.blog3.fc2.com/blog-entry-1497.html
微妙な突っ込みどころ
減点対象になるほどではないけれど、
微妙に気になってしまったツッコミポイントを語るコーナー。
今回のお題はこちら。
・日本語フォントのデザインが微妙
GOW3は丁寧にローカライズされている印象を受けましたが、
そこは英語でいいんじゃない?ってとこまで日本語化されてたりもします。
例えば「ゲームオーバー」とかパワーアップ時の「体力増加」とか、
妙に野暮ったいフォントでババーンと表示されると、微妙ながっかり感が。
SCEが噛んでるのにらしくないなぁ。
例えるなら
わ〜、X-MENが映画化されて日本でも公開だよ!
ってワクワクしたら、邦題が「X-メン」だった時の腰砕け感。
…以上、例え話をしたかっただけでした。
総評
今回のレビューは世間の評価に比べると辛口だったかも知れません。
前評判でスゴイスゴイ言われてて、Amazonレビューも大絶賛の嵐で、
「10点間違いなし!」的評判を見て挑んだら、な〜んだ9点か…的な心理が働いたかも。
正直なところアクションゲームとしては前作を越えるインパクトは無く、*8
私が10点満点で評価するならいいとこ9点。
60fps云々とかのスペックを見るだけで幸せになれたり、
過激な暴力描写も全然オッケーな人ならさらに加点ありです。
良作アクションなのは間違いありませんが、
表現の問題であんまり他の人にはオススメし辛いです。
シリーズのファンならラストを見届ける価値はあるかも知れませんが。
しうまい&脇で見ていたにゃっきさんの意見としては、
直前にやってたデモンズソウルの方が革新的な内容だったし、
エンターテイメントとしてはベヨネッタの方がより万人向けで楽しいよね?
という感じになったのでした。
(追記)
他にも気になったところが幾つか。
背景に力を入れてるのは解るんですが、それを見せたいがために、
やたら引いたカメラアングルが多く、なんかチマチマした見た目になりがち。
アクションゲーム的には迫力に欠けて損だと思いました。
あと、音ゲーもどきの変な仕掛けとか、
使い回し感のある大して面白くない移動ステージとか、
明らかな手抜き水増しと思われる部分が見受けられるのも残念。