もっけ(勿怪)

今月も月刊アフタヌーンを買ってしまいました。
購読するようになってから、実に完成度の高い作品が多いことに気付かされます。



いくつかお気に入りの作品が出来たのですが、特に好きなのが「もっけ(勿怪)」。


もっけ(勿怪) 1 アフタヌーンKC

もっけ(勿怪) 1 アフタヌーンKC


タイトルから察する事が出来るかもしれませんが、妖怪とか出てくる話です。
でも、ホラーな作品ではありません。
悪い妖怪がいて、それをスゴイ力を持った人が退治する…という、少年漫画的な作品でもありません。




生まれた血筋の所為か、物の怪に憑かれやすい体質の瑞生(みずき)と、
物の怪を見ることができる姉の静流(しずる)、
二人を親元から引き取って育てていて、副業で祓い師をやってるお爺さん。
この人達を中心に、物の怪が居るのが当たり前という日常が描かれます。



姉妹は人と違う力を持ってるいるため、
良いヤツから悪いヤツまで、色々な物の怪に絡まれたりします。
人とは違う自分達の境遇に悩んだりも。
(基本的に明るめの話しなので、あんまり深刻な事態にはなりませんけど。)


お爺さんは物の怪に関する知識が豊富で、物の怪を祓ったりできますけど、むやみに祓いはしません。
物の怪との付き合い方・対処の仕方を、厳しく二人に諭してくれます。



人に害をなすような妖怪は少なく、憎めない感じの物の怪も少なくないので、
妖怪モノでありながら何とも ほのぼのとした雰囲気が漂ってます。
意外と癒し系かも。




あとは、妖怪に関するウンチクが凄いです。
主にお爺さんと静流の口から、毎回登場する妖怪の由来なんかを語ってくれます。
作者は過去の文献とか地方の伝承とか色々調べてるんでしょうな。


妖魔夜行」とか「うしおととら」とか好きな私としては、このウンチクも楽しみだったりします。
(両方とも「悪い妖怪と戦う系」なので、作風としてはかなり異なりますが…)


妖怪好きにはオススメの一作です。