ゾンビ屋れい子を読む

アンデッドナイツ1週目をクリア。
そこら辺のことはまた改めて書くとして、
日々ゾンビ達の頑張りを見ているうちに、
私の中に「ゾンビ愛」的なものが生まれてしまったのか、新たなゾンビ作品を購入。


ゾンビ屋れい子 1 百合川サキ 編 (ホラーMコミック文庫)

ゾンビ屋れい子 1 百合川サキ 編 (ホラーMコミック文庫)


なかなか刺激的なタイトル。
朝目新聞でネタになってるのをちょくちょく見かけ、
話の概要を調べて以来、いつか読んでみたいなぁと思ってたのでした。
残業代も随分稼いでた勢いで、文庫7巻セットを衝動買い。



ホラー系の漫画雑誌に掲載されてたという作品で、
序盤は死体をゾンビとして甦らせることが出来る女子中学生、
「姫園れい子」がゾンビ屋としてお仕事する、1話完結のホラーもの。


ただ、しばらくするとノリが急変して、
ゾンビを召喚できる能力を持った人達が、
スタンド使いばりにゾンビを使って対決するという、
誰も考えないか、考えても描かないんじゃ?的な展開に。


ものすごく荒唐無稽な話な上に、画力も全然足りなくて、
なんともちぐはぐな劣化ジョジョ3部程度の話でしかないです。



が、その流れが一旦落ち着いてから、
ホラーよりもコメディ色が強くなる話にシフトし、妙な魅力を醸し出し始めます。
ここら辺から妙なノリが癖になってきたかも。


再びゾンビバトルが再会する中盤では、
初期に比べて別人のように画力が向上していて、*1
相変わらずジョジョを意識した話のネタと微妙なバランスを保ち、
バトル少年漫画の亜種として、何やら独特の面白さに。


評判を耳にして気になってたのも、
このホラー漫画→バトル対決系少年漫画へと変貌するというワケのわからん流れ。
「なんじゃそら!」と、何度もツッコミ入れながらも、
勢いで最後まで読んでしまいました。


なんだかんだで面白い気はします。
あくまでジャンクフードの美味しさみたいなもので、
インスタントラーメンのスープに冷やご飯ぶち込んで、
さらに化学調味料だばだば混ぜてみたら意外と美味しい…みたいな。



話も絵柄も、中盤が一番バランス良くて好きかも。

リルカの散り際はなかなか良かったですね。


終盤はちょっと崩れ気味な感じが。


通して読むと、漫画家って描き続けてると上手くなるんだなぁ…という、
ストーリーやらとは別の面白さも感じられます。
スタンド→ゾンビの置き換え以外にも、
れい子が生首になってから復活する方法がDIOのまんまだったり、
「運命の弾丸」は肉の芽とか弓と矢をモチーフにしてるし、
終盤のカーミラ復活時は、サンタナが目覚めたシーンを意識してるし、
カーミラの宝石はまんまエイジャの赤石だし…
描き文字もそうですけど、ジョジョから持ち出しすぎな印象も。


これらはジョジョネタとしてやってるにしては、
話に絡みすぎだし、パロディよりはリスペクトって言うんですかね?
際どいラインですけど、ぎりぎり面白かったです。



あと、7巻の巻末に唐沢なをきの感想漫画が。


…まあホラーには付き物だし、こういう要素もね。


既に絶版らしく、新品はもちろん古本でもあんまり在庫無いですね。
出会う機会があれば、一度読んでみるのも一興かと。
 

*1:にゃっきさんに言わせると、永井豪っぽさが入ってるとか。